自然の恵みに生かされて
スローライフの代表的存在といっても過言ではないでしょう。自然の恵みを無駄なくそして、多すぎず少なす過ぎず暮らしに取り入れ健やかで幸せな暮らしを目指すきくちゆみさんの「自然の暮らし」をご紹介します。
我が家の入り口にある梅の花が満開だ。
東京からこの鴨川の山間地へ引越して、米と野菜をつくり始めて10年がたった。毎年この梅の樹からとれる梅と自然塩で、梅干しを漬けている。毎日夕食後に三年番茶と一緒にいただく梅干しが、私と家族とここを訪ねてくれる友人たちの健康を支えてくれている。
我が家は廃屋になっていた築200年の古民家を、自分たちで手入れをしながら暮らしている。この冬は、「樹の住まい舎」の佐藤さんにお願いして、窓をペアガラスにして、床と壁を二重にしてわら断熱を施し、冬でも暮らせるように改装した。 |

満開の梅の花と我が家 |
改装にはすべて自然素材を使った。断熱のわらはもちろん、我が家のお米を収穫した残りだ。
家族総出で漆喰塗りや柿渋塗りに精を出した。仕上がりはプロのように美しくはいかないが、でこぼこで愛着のわく住まいが少しずつ整うのは楽しい。子どもたちは、時にお百姓さんであり、時に大工さんでもある父親を見て、「パパはすごいねえ」と敬愛の念を持っている。

大工さんでもある父親 |

柿渋を塗る娘
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ペアガラスが入った我が家
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わたしは毎日の食卓を畑や野山の恵みで整える。今日は野に出てきたばかりの蕗の薹(フキノトウ)を子どもたちと摘んで、天ぷらとふきみそを作った。子どもたちはほろ苦い蕗の薹が苦手だが、大人にはごちそう。春の野草には、冬の間に蓄積された体内の毒を外に排出する力があるのだ。なんてありがたいのだろう。
愛らしい菜の花はごま和えに、サニーレタスとほうれん草は松の実を散らしてサラダにして、ドレッシングは梅酢とごま油がおいしい。昆布だしを使った具沢山のみそ汁には、子どもたちの好きなサツマイモとニンジンと大根とわかめと豆腐が入っている。これなら、ご飯とみそ汁だけでも、十分バランスが取れる。そして、ノリは毎日食べる。そういえば「黒ごまとノリ、三年番茶はがん予防に最高」と船瀬俊介さんが言っていたっけ。
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春を告げる蕗の薹 |
鴨川の大地には一年中食べられるものが溢れている。もちろん四季折々の野菜を育てているけれど、野にはいつも何かしら食べられるものがある。こんな豊かな国は、この地球上のどこにあるのだろう。こんな食生活のお陰か、我が家の医療費はこの10年間でゼロ。わたしはこれからもここに生きて、子どもたちを健康に育てていきたい。
そんなささやかな願いを踏みにじるできごとが今、日本を襲いつつある。青森県の六ヶ所村で、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場が5月に本格稼働する。この工場は1基の原子力発電所一年分の放射能を一日で出すと言われている。つまり、六ヶ所村に新たに365基の原発ができるようなもの。
放射能の汚染はどんなに微量でも、やがて海産物や農産物を通じて濃縮され、わたしたちに戻ってくる。その影響は大人より子ども、子どもより赤ちゃん、赤ちゃんより胎児に大きく出る。再処理工場のあるイギリスのセラフィールドやフランスのラ・アーグの周辺では小児白血病や小児がんが多発している。国はいつもどおり「安全だ」と繰り返すが、事実はそうではないことを教えてくれる。
あなたがもしこの国で暮らし続けたいのなら、「海に空に放射能を捨てないで」「再処理工場を本格稼働しないで」と青森県知事と国会議員に声を届けよう。
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